
「足がかゆい」「指の間がふやけている」「かかとがガサガサする」。こうした症状に心当たりがあるなら、水虫かもしれません。水虫は放置して自然に治ることはなく、家族にうつしたり、重症化すると歩行の際に痛みが生じたりする可能性があります。
本記事では、水虫の症状、対処法、そして慢性化を防ぐ予防策までわかりやすく解説します。
1.水虫とは?

水虫の原因は、白癬菌(はくせんきん)という真菌(カビ)の一種です。この菌は、私たちの皮膚の表面にある角質層に含まれるケラチンというタンパク質を餌にして生きています。カビがパンや湿った壁に生えるように、白癬菌は人の皮膚を住処として増殖していくのです。
水虫は足だけじゃない?手や体、爪にも感染する
「水虫=足」というイメージが強いかもしれませんが、白癬菌はケラチンがある場所なら全身どこにでも感染します。
- 手白癬: 手に感染した水虫のこと
- 体部白癬(ぜにたむし): 体に感染した水虫のこと
- 股部白癬(いんきんたむし): 太ももの付け根にできる水虫のこと
- 頭部白癬(しらくも): 頭皮にできる水虫のこと
このように、白癬菌は場所を選ばず、放っておくと自分自身の他の部位にも飛び火してしまう性質を持っています。
2.【タイプ別】水虫の主な症状
水虫には大きく分けて4つのタイプがあります。「痒くないから水虫ではない」と思い込むのは危険です。
趾間(しかん)型
趾間型は最も多く見られる水虫のタイプです。足の指の間、特に薬指と小指の間によく発生します。
| 症状 | 皮膚が白くふやけて湿っぽくなり、めくれると赤くただれる |
|---|---|
| 特徴 | じくじくして強い痒みを伴うことが多く、不快感が強いのが特徴 |
小水疱(しょうすいほう)型
春から夏にかけて、気温が上がると活発になる水虫のタイプです。
| 症状 | 土踏まずや足の縁に、米粒くらいの小さな水ぶくれがポツポツとできる |
|---|---|
| 特徴 | 非常に強い痒みがあります。水ぶくれが破れると皮が剥ける |
角質増殖(かくしつぞうしょく)型
「ただの乾燥」と最も間違われやすい、厄介なタイプです。
| 症状 | かかとの皮膚全体が厚く硬くなり、表面が白く粉を吹いたようになる |
|---|---|
| 特徴 | 痒みがほとんどない。冬場にひび割れて痛むことがあるが、多くの人が乾燥だと思い込み、菌をばら撒く原因になりやすい |
爪水虫(爪白癬)
水虫を長期間放置していると、菌が爪の中にまで侵入することがあります。
| 症状 | 爪が白や黄色に濁り、厚みが増してボロボロと欠けるようになる |
|---|---|
| 特徴 | 痛みも痒みもないが、塗り薬が届きにくいため、治療には根気が必要 |
3.水虫の主な原因

水虫の原因である白癬菌は、感染者の足から剥がれ落ちた垢(角質)の中に潜んでいます。例えば、スポーツジム、温泉、銭湯、プールの更衣室、旅館の畳などにおいて、共有のバスマット、スリッパなどを介して感染する可能性があります。
菌が足に付着しただけでは、まだ「水虫になった」とは言えません。菌が角質層の中に侵入するまでには、通常24時間以上かかります。つまり、外出先で菌をもらってきたとしても、その日のうちにお風呂で綺麗に洗い流せば、感染を防ぐことができるのです。ただし、足に傷がある場合は12時間程度で侵入することもあるため注意が必要です。
水虫が悪化しやすい3大条件
菌が皮膚に定着・増殖するには、以下の条件が揃う必要があります。
- 高温(15℃以上)
- 多湿(湿度70%以上)
- 不潔
一日中靴を履きっぱなしのビジネスパーソンや、密閉性の高いブーツを履く人の足元は、比較的この条件を満たしやすいと言えるでしょう。
4.水虫の治し方
水虫は適切な治療を継続すれば、治癒が期待できる病気です。症状が軽度であれば、まずはドラッグストアで購入できる市販薬で対処し、症状が長引いたり悪化したりするようなら早めに皮膚科を受診してください。医師は皮膚の角質を少し採取し、顕微鏡で菌の有無を確認します。
水虫の症状が見られる場合、外用薬(塗り薬)や内服薬が処方されるのが一般的です。なお、薬を塗って数日で痒みが消えても、角質層の奥にはまだ菌が生き残っています。皮膚が新しく生まれ変わる(ターンオーバー)サイクルに合わせ、見た目が綺麗になってから、さらに1ヶ月は治療を続けることが大切です。
5.水虫の予防策

治療と並行して、生活環境を整えることが水虫の再発を防ぐ鍵となります。
毎日足を石鹸で洗い、指の間までしっかり乾かす
ゴシゴシ擦る必要はありません。石鹸をよく泡立て、指の間一本一本を手で優しく洗ってください。お風呂から出た後は、タオルで水分をしっかり拭き取り、ドライヤーの冷風などで指の間を乾燥させることが非常に有効です。
同じ靴を毎日履かず、ローテーションして乾燥させる
一日履いた靴は、コップ一杯分の汗を吸っているといわれます。同じ靴を続けて履かない(中2日は空けるのが理想)ようにし、脱いだ靴には乾燥剤を入れるか、風通しの良い場所に置きましょう。靴の中を乾燥させることで、白癬菌の増殖を物理的に抑えられます。
共用バスマットを避け、家の中をこまめに掃除する
家族に水虫の人がいる場合、バスマットは自分専用にするか、最後に使うようにしましょう。また、床に落ちた垢が感染源になるため、掃除機をこまめにかけることが家庭内感染の防止につながります。
6.よくある質問
水虫を放置するとどうなる?
水虫をただの痒みと侮ってはいけません。皮膚の割れ目から細菌が侵入し、蜂窩織炎(ほうかしきえん)という深刻な感染症を引き起こすことがあります。足全体が真っ赤に腫れ、高熱が出て入院が必要になるケースも少なくありません。
お酢やアルコールで消毒すれば治る?
ネットで見かける「お酢に足を浸す」「高濃度アルコールで消毒する」といった民間療法で対処するのはやめてください。皮膚のバリア機能が破壊されて余計に菌が入り込みやすくなる可能性があります。
水虫は冬になると治る?
冬に痒みがなくなるのは、菌が死んだのではなく、寒さで活動を休止(冬眠)しているだけです。治療を中断すると、春に再び増殖を始めます。菌の活動が鈍い冬は、水虫の治療に取り組みやすい時期と言えるでしょう。
7.まとめ
水虫は老若男女問わず発症する可能性があり、決して恥ずかしい病気ではありません。しかし、放置して治るわけでもありません。疑わしい症状がある場合、まずは皮膚科で検査を受けましょう。また、適切な治療と並行して、日頃の生活においても感染を防ぐようにすることが症状の改善・再発予防につながります。

