情報掲載日:2026/01/30
花粉の飛散はいつから始まる?地域別の飛散時期や効果的な対処法を解説

春の訪れとともに多くの人を悩ませる「花粉症」。日本人の約4割が花粉症に悩むとも言われ、症状が強まると仕事や学業のパフォーマンス低下、睡眠の質の悪化、外出制限など、生活の質に大きな影響を及ぼすこともあります。そのため、早めの花粉症対策が肝心です。

本記事では、地域別の花粉飛散時期(2026年予測)から、医師による効果的な対策のアドバイスまでご紹介します。

1.花粉症を引き起こす花粉の種類

花粉症を引き起こす花粉の種類

花粉症の原因となる植物は、季節ごとに異なります。まずは、日本で代表的な花粉の種類とその特徴を把握しておきましょう。

スギ

日本の花粉症の原因として最も多く、全体の約70%を占めています。北海道と沖縄を除くほぼ全域で飛散します。一度に大量の花粉が数十キロ先まで飛散するのが特徴で、例年2月から3月にかけて飛散のピークを迎えます。

ヒノキ

スギのピークが終わる頃に、入れ替わりで飛び始めるのがヒノキです。スギ花粉症を患っている方の多くがヒノキにも反応するため、春先からゴールデンウィーク頃まで症状が長引く主な原因となります。飛散時期は3月下旬から4月にかけてピークに達しますが、年によっては5月中旬まで続くこともあります。

イネ科

カモガヤなどが代表的で、初夏から夏(5月~9月頃)にかけて飛散します。スギのように遠くまで飛ぶことは稀ですが、河川敷や公園、道端など、私たちの身近な場所に自生しているため、日常生活の中で注意が必要です。

ブタクサ属・ヨモギ属

秋の花粉症の代表格です。夏から秋(8月~10月頃)にかけて飛散し、非常に強い繁殖力を持っています。空き地や河川敷に自生しており、秋特有の鼻や目のムズムズ感を引き起こす要因となります。


2.【2026年予測】地域別の花粉飛散時期

花粉の飛散時期は地域によって異なります。地域ごとの詳細な傾向を確認し、対策を立てましょう。

北海道

北海道では、本州で見られるスギやヒノキの飛散は極めて少ないのが特徴です。その代わり、春には「シラカバ」の花粉が飛散します。シラカバの花粉は4月下旬頃から飛散し始め、5月上旬~中旬にかけてピークを迎えます。

シラカバ花粉症の方は、リンゴやモモなどの果物を食べると口の中がかゆくなる「口腔アレルギー症候群(OAS)」を併発する場合があるため注意が必要です。

東北

東北地方では、スギ花粉の飛散が2月中旬~下旬頃に始まり、3月中旬~下旬にピークを迎えます。ヒノキは4月中旬~下旬が飛散のピークになる予測です。ただし、福島県や宮城県などの南部と、青森県などの北部で開始時期にやや差が生じます。

関東

関東地方では、スギ花粉は2月上旬から飛散し始め、ピークは3月上旬~中旬です。ヒノキは4月上旬~中旬に飛散のピークを迎えます。

関東は全国でも特に花粉症人口が多く、都市部特有の「花粉の再飛散」が大きな問題となります。特に東京周辺は、山沿いからの飛散に加えてビル風による複雑な風の流れがあるため、予報よりも体感的な飛散量が多く感じられる傾向にあります。

東海

東海地方は山間部に広大なスギ・ヒノキ林を抱えているため、飛散量が非常に多くなりやすいのが特徴です。スギ花粉の飛散は2月上旬から始まり、3月上旬にピークを迎えます。ヒノキの飛散ピークは4月上旬です。

近畿

近畿地方は、京都や兵庫の山間部からの飛散が、大阪や神戸などの都市部に流れ込みやすい地形をしています。スギは2月上旬~中旬にかけて飛散が始まり、3月上旬にピークを迎えます。ヒノキの飛散ピークは4月上旬です。

スギ花粉のピーク時期が短期間に集中しやすく、一度に大量の花粉が飛散するリスクがあります。また、3月中旬以降はヒノキの飛散が顕著になり、GW手前まで症状が長引くことが多い地域です。

九州

全国で最も早く花粉シーズンが始まるのが九州地方です。全国に先駆けて、スギは1月下旬~2月上旬にかけて飛散し始め、2月中旬~3月上旬がピークになります。ヒノキは3月下旬にピークを迎えます。

暖かい南風が吹き込むと、1月の早いうちから花粉を感知し始める敏感な方もいます。九州ではヒノキの飛散量も多いため、1月の早い段階から対策を講じることが重要です。


3.医師による花粉症対策のアドバイス

医師による花粉症対策のアドバイス

花粉症の症状を軽減するためには、日常生活の中での予防と早めのケアが欠かせません。ここでは、すぐに実践できる基本的な対策を3つ紹介します。

花粉との接触を物理的に減らす

花粉症対策の基本は、花粉を「体内に入れない」「持ち込まない」ことです。

外出時の工夫

  • マスクは隙間なく着用し、花粉症用メガネや帽子を併用する
  • ウールなど毛羽立った衣服は花粉が付きやすいため、化学繊維などの表面がツルツルした素材を選ぶ

帰宅後の習慣

  • 玄関で衣服や髪の花粉を払い落とす
  • うがい・手洗い・洗顔で顔や喉の花粉を除去

室内環境の維持

  • 窓の開閉は短時間にとどめる
  • 空気清浄機や加湿器で花粉を除去・沈下
  • 洗濯物や布団は部屋干しにして衣類への付着を抑える

時間帯の工夫

  • 花粉の飛散が多い昼前後や日没後は外出を控える

免疫力・体調を整える

花粉症の症状は、その日の体調や免疫バランスに大きく左右されます。十分な睡眠をとり、規則正しい生活を心がけることで免疫力の低下を防ぐことが大切です。

また、疲れやストレスを溜め込みすぎないことも、過剰なアレルギー反応を抑えるポイントとなります。日常の中でリラックスできる時間を意識的に確保し、心身のバランスを整えましょう。

早めの治療とケア

症状がひどくなってからではなく、出る前から対策を始める「初期療法」は、花粉症対策として非常に有効です。

くしゃみや鼻水に作用する抗ヒスタミン薬や、鼻づまりに効果的なステロイド点鼻薬などの市販薬を使用する際は、薬剤師や登録販売者に相談するか、耳鼻咽喉科を受診しましょう。また、鼻腔内に付着した花粉を洗い流す鼻うがいも、家庭で取り入れやすいセルフケアのひとつです。

毎年症状が重くなる方は、シーズン前から専門医に相談し、治療計画を立てておくようにしましょう。


4.本格的な花粉シーズンに備えて早めの対策を

花粉症対策は、症状が出る前から始めることが大切です。飛散時期を把握し、市販薬の準備や生活習慣の見直しを早めに行いましょう。外出時のマスクやメガネ、帰宅時の花粉除去など、基本的な対策を日常習慣にすることも効果的です。

つらさを我慢せず、花粉情報や医薬品、セルフケアを上手に活用して、快適な春を迎えましょう。症状が改善しない場合は、早めに医療機関へ相談してください。