
冬になると手足の指先や耳たぶが赤く腫れ、ムズムズとしたかゆみやジンジンする痛みに悩まされることはありませんか。それは「しもやけ」のサインかもしれません。しもやけは一度発症すると治りにくく、冬の間じゅう不快な症状が続くこともあります。
本記事では、しもやけの主な症状や原因をはじめ、つらい症状への対処法、日常生活で取り入れたい予防習慣まで詳しく解説します。
1.しもやけの症状

しもやけは、医学的には「凍瘡(とうそう)」と呼ばれ、冬の寒さによって血行が悪くなり、皮膚に炎症が起こった状態を指します。
症状の現れ方には個人差があり、大きく分けて「樽柿(たるがき)型」と「多形紅斑(たけいこうはん)型」の2つのタイプがあります。
- 樽柿(たるがき)型
主に子どもに多く見られるタイプです。手足の指先や耳たぶなどが、熟した柿のように全体的に赤く腫れ上がるのが特徴。患部がパンパンに膨らみ、熱っぽさを感じることもあります。 - 多形紅斑(たけいこうはん)型
大人の女性に多く見られるタイプです。赤い湿疹や小さな皮膚の盛り上がりが点在するように現れます。樽柿型のような強い腫れは少なく、赤い斑点が複数できるのが特徴です。
いずれのタイプにも共通するのが、強いかゆみや痛みを伴う点です。特に入浴後や布団に入った時など、体が温まる際には症状が現れやすくなります。血管が急激に拡張することで血流が変化し、ムズムズとしたかゆみやジンジンする痛みが一気に強まることがあります。
さらに状態が悪化すると、皮膚が裂ける「あかぎれ」に進行することもあるため、早めの対処が重要です。
2.しもやけの原因
しもやけの主な原因は、寒冷刺激による血行不良です。血流が滞りやすい指先や耳たぶ、かかと、頬などの末端部に起こりやすく、以下の要因が重なることで発症リスクが高まります。
防寒対策が不十分
寒い時期に手袋や厚手の靴下を着用せずにいると、皮膚温が急激に低下します。強い寒暖差が続くと血管の調節機能が乱れ、血流が滞って炎症が起こり、しもやけを引き起こします。
血行を悪化させる生活習慣
サイズの合わない靴や締め付けの強い履物は、末端の血流を妨げます。また、シャワーだけで入浴を済ませる習慣も体を十分に温められず、血行不良や冷えにつながります。
靴下などを湿った状態のまま着用している
汗や雨、雪で皮膚が濡れた状態が続くと、気化熱によって皮膚温が下がり、強い冷えを招きます。水分は早めに拭き取り、湿った靴下や手袋はこまめに交換することが大切です。
3.しもやけになりやすい人

しもやけは体質や生活習慣の影響を受けやすい症状です。特に、以下に当てはまる方は発症リスクが高いため、日頃から意識的に予防しましょう。
子どもや高齢者
子どもは自律神経による血管調節機能が未発達で、寒さへの対応が十分にできません。さらに、外遊びで手足が濡れたまま過ごしてしまうことも多く、しもやけを起こしやすい傾向があります。
一方、高齢者は加齢により新陳代謝や末梢血流が低下しやすくなります。そのため、一度しもやけを発症すると回復に時間がかかり、治りにくいのが特徴です。
冷え性の人
もともと手足の血行が滞りやすい冷え性の人は、寒冷刺激によって末端の血管が過剰に収縮しやすく、しもやけが起こりやすい状態にあります。
水仕事が多い・手洗いの頻度が高い人
調理や掃除などで水や洗剤に頻繁に触れると、皮膚の表面を守る皮脂が失われ、バリア機能が低下します。その結果、皮膚から水分が蒸発しやすくなり、冷気にさらされると皮膚温が急激に下がります。さらに、手洗い後に半乾きの状態で過ごすと、残った水分が気化する際に熱を奪い、指先の血流が悪化してしもやけを起こしやすくなります。
遺伝的体質
しもやけには遺伝的要因も関係していると考えられています。家族にしもやけになりやすい人がいる場合、血行調節機能が体質的に弱い可能性があるため、早めの予防を心がけることが大切です。
4.しもやけの対処法
しもやけが起きた場合は、悪化する前に早めにセルフケアしましょう。放置すると、ひび割れが深くなって出血したり、傷口から細菌が侵入して化膿したりするおそれがあります。
しっかり保湿する
乾燥は症状を悪化させる大きな原因です。水仕事や入浴後は、保湿クリームを十分に塗って皮膚のバリア機能を補いましょう。特に入浴後は水分が失われやすいため、タオルでやさしく拭き取り、10分以内を目安に保湿することがポイントです。
マッサージや入浴で血流を促す
血行を促すため、保湿クリームなどを使ったやさしいマッサージが効果的です。ただし、炎症が強い場合は無理に刺激しないよう注意しましょう。
また、40℃前後のお湯と冷水を交互に使う「温冷交代浴」も、血流改善に役立ちます。体調や皮膚の状態を見ながら、無理のない範囲で行ってください。
市販の皮膚治療薬を活用する
かゆみが強く日常生活に支障が出る場合は、しもやけの効能のある市販の皮膚治療薬の使用も検討しましょう。症状に応じて、以下の成分が配合された薬を選ぶことがポイントです。
| ビタミンE配合薬 | ビタミンE(トコフェロール)には末梢血管を拡張し、血行を促進する働きがあります。しもやけの主な原因である血行不良にアプローチできる成分です。 |
|---|---|
| 抗ヒスタミン成分・鎮痒成分配合薬 | 強いかゆみがある場合には、これらの成分を含む外用薬が症状の緩和に役立ちます。 |
| ヘパリン類似物質配合薬 | ビタミンEと同様に血行不良の改善に役立つのに加えて、乾燥した皮膚を保湿してひび割れの悪化を防ぎます。 |
| ステロイド外用剤 | 赤みや腫れなどの炎症が強い場合には、短期間に限ってステロイド成分配合の薬を使用し、速やかに炎症を抑えることも有効な選択肢です。 |
5.しもやけの予防法

しもやけは一度発症すると、冬の間に繰り返しやすいのが特徴です。そのため、「なってから対処する」よりも、日常生活の中で予防を徹底することが重要です。
防寒対策を万全に行う
外出時は冷気を遮り、皮膚の温度を下げない工夫を心がけましょう。特に「首元・手首・足首」のいわゆる“三つの首”を温めることは、全身の冷え対策に効果的です。マフラーや手袋、厚手の靴下に加え、耳当てやカイロなどの防寒小物も活用し、末端を冷やさないようにしましょう。
窮屈な靴を履くことは避ける
先の細い靴やサイズの合わないブーツは、指先を圧迫して血流を妨げます。冬場は少し余裕のあるサイズを選び、靴の中で指が自然に動かせるものがおすすめです。ハイヒールも血行不良を招きやすいため、寒い時期は控えめにするとよいでしょう。
衣類を濡れたまま放置しない
水仕事の後は指先の水分をしっかり拭き取り、雨や雪で濡れた靴下や手袋は早めに交換してください。ブーツの中は蒸れやすく、冷えにつながることもあります。吸湿性の高い綿やウール素材の靴下を選ぶ、室内では履き替えるなどの工夫も有効です。
ビタミンEを摂取する
ビタミンEには血行を促進し、体を温める働きがあります。アーモンドなどのナッツ類、かぼちゃ、アボカド、うなぎ、ほうれん草などを意識的に取り入れましょう。食事だけで補えない場合は、サプリメントやしもやけに対して効能効果がある医薬品を活用するのも一つの方法です。
6.冬に起こりやすい「しもやけ」はセルフケアで防げる!
しもやけは、発症してから対処するよりも、冷えや乾燥を防ぐ日常的な予防が何より大切です。手足を冷やさず、濡れたままにしないなど、今日からできる習慣を意識しましょう。
セルフケアを続けても改善が見られない場合や、痛み・出血・化膿が生じている場合は、早めに皮膚科を受診してください。



