
熱がないのに喉が痛いときは、風邪だけでなく、その他の原因も考えられます。本記事では、熱がないのに喉が痛くなる主な原因と、自宅でできる対処法、さらに痛みを悪化させないための注意点について詳しく解説します。
1.熱はないのに喉が痛くなる原因

発熱を伴わない喉の痛みにはさまざまな原因があります。単なる乾燥や疲れが理由であることもあれば、医療機関での治療が必要な病気が隠れている場合もあります。
ここでは代表的な原因を紹介します。
喉の乾燥・酷使
もっとも身近で多い原因のひとつが、喉の粘膜の乾燥と使いすぎです。冬場の乾燥した空気や、エアコンが効いた室内に長時間いると、喉の粘膜から水分が奪われてしまいます。粘膜が乾燥すると、喉を守る防御機能が弱まり、ホコリやチリ、わずかな温度差などでも刺激を感じ、痛みが生じます。
また、「カラオケで歌いすぎた」「大声を出した」「長時間話し続けた」など、喉を使いすぎる場面があると、声帯や周辺の粘膜に物理的な負担がかかり、炎症が起こります。これは、一過性の声帯炎や喉頭炎(こうとうえん)に近い状態です。
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。その他、花粉症の場合は目のかゆみの症状を伴うこともあります。
アレルギー性鼻炎は、鼻水が喉の奥に流れ落ちる後鼻漏(こうびろう)が起こることがあります。鼻水が喉の粘膜を刺激し続けることで、慢性的な炎症や痛みを引き起こします。また、鼻づまりによって口呼吸が増えると、喉が乾燥して痛みにつながります。
副鼻腔炎
副鼻腔炎(蓄膿症)は、鼻の奥にある副鼻腔という空洞に炎症が起こり、膿が溜まる病気です。主な症状には、鼻づまり、粘り気のある黄色の鼻水などが挙げられます。
副鼻腔にたまった膿性で粘り気の強い鼻水は後鼻漏となり、喉に流れ落ちます。この粘度の高い鼻水が喉の奥にへばりつき、細菌やウイルスの温床となることで、慢性的な喉の炎症や痛み、異物感を引き起こします。副鼻腔炎自体の炎症の程度によっては発熱することもあります。
扁桃炎
扁桃炎は、喉の奥にあるリンパ組織である扁桃腺が、細菌やウイルスに感染して炎症を起こす病気です。
主な症状は激しい喉の痛みで、一般的には高熱を伴うことが多いですが、慢性的な扁桃炎や軽度のウイルス性扁桃炎では、熱がほとんど出ずに喉の痛みだけが続くことがあります。とくに疲労やストレスで免疫力が低下していると、扁桃腺の炎症が悪化し、熱はないのに強い痛みを感じることがあります。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流し、食道の粘膜を刺激して炎症を起こす病気です。
逆流が喉や声帯まで達すると、それらを刺激して炎症を引き起こします。その結果、胸焼けや胃の不快感だけでなく、「喉のヒリヒリした痛み」「喉の異物感・つかえ感」「声枯れ」といった症状が、熱を伴わずに現れます。とくに食後や就寝時に症状が悪化しやすいのが特徴です。
2.コロナやインフルエンザの可能性は?
近年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やインフルエンザの初期症状として、発熱よりも先に喉の痛みや違和感が現れることがあります。
感染初期は、免疫力や体質、ウイルスの種類・量によって発熱しない場合もあるため、熱がないからといって感染していないと断言できません。とくに次のような場合は注意しましょう。
- 喉の痛みが急に始まった
- 体のだるさや関節痛など、全身症状を伴う
- 周囲に感染者がいる
心配な場合は自己判断で放置せず、医療機関の指示に従って検査を受けることが大切です。
3.熱はなく喉が痛い場合の対処法

原因が単なる乾燥や軽度の炎症であれば、適切なセルフケアで症状を緩和できます。自宅でできる効果的な方法を紹介します。
喉を酷使しない
炎症があるときは、できるだけ喉を休ませることが重要です。仕事などで話す必要がある場合でも、小さな声で話し、長時間の会話は避けましょう。ささやき声は普通の声よりも喉の筋肉に負担がかかるため、無理のないトーンで話すことが大切です。
また、タバコの煙は喉の粘膜を直接刺激し炎症を悪化させるため、喫煙は控えましょう。
保湿・加湿する
乾燥から喉を守ることは、痛みの緩和と炎症の悪化防止につながります。湿度が低い環境では喉が乾燥しやすいため、加湿器で湿度を50~60%程度に保つのが理想です。外出時や就寝時にはマスクを着用することで、自分の吐く息の水分が喉の周辺に留まり、効率的に保湿できます。
さらに、水やお茶を少しずつこまめに飲むことで、喉の粘膜をうるおし、炎症の原因となる刺激物や細菌を洗い流す効果も期待できます。
のど飴を舐める
のど飴を舐めることで唾液の分泌が促されます。唾液には粘膜を保護する働きや殺菌作用があるため、喉を自然にうるおし、刺激から守ることができます。
市販薬を使用する
症状に応じた市販薬を適切に使用すると、痛みを和らげ、回復を早めることができます。また、のどスプレーやうがい薬には喉の殺菌・消毒をする成分や喉の炎症を和らげる成分が配合され、喉に直接作用します。薬用成分入りのトローチも、炎症を抑えたり殺菌したりする効果が期待できます。
漢方薬も有効で、喉の炎症を抑える「桔梗湯(ききょうとう)」や、空咳や喉の乾燥感に効く「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」など、体質や症状に合わせて選ぶとよいでしょう。
4.喉が痛い時に避けたい食べ物

喉に炎症があるときは、食べ物や飲み物によって痛みが強まったり、治りが遅くなったりすることがあります。症状が落ち着くまでは、刺激になりやすい食品は控えるのがおすすめです。
香辛料を多く含む食べ物
唐辛子、わさび、カレー粉などの香辛料は、喉の粘膜を強く刺激し、炎症を悪化させる原因となります。喉が痛いときは辛い料理を控え、刺激の少ないやさしい味付けの食事を心がけましょう。
酸味の強い食べ物
レモンやミカンなどの柑橘類、お酢を使った料理や漬物など、酸味の強い食品も喉に刺激を与えることがあります。とくに逆流性食道炎が関係している場合は、酸味の強い食品が胃酸の分泌を促し、症状を悪化させることがあるため治るまでは控えると安心です。
炭酸飲料やアルコール
炭酸飲料は刺激によって喉の炎症を悪化させる場合があり、冷たい状態で飲むと痛みが増すこともあります。アルコールも喉の粘膜を直接刺激し、血管を広げて炎症を助長するほか、利尿作用によって脱水を進め、喉の乾燥を招きやすくなります。
代わりに、温かいスープや常温~人肌程度のお茶、ポタージュ、ゼリー飲料など、喉越しがやさしく刺激の少ないものを取り入れ、栄養と水分をしっかり補給しましょう。
5.よくある質問

熱はないけれど喉が痛いときは安静にしたほうがいい?
熱がなくても、喉の痛みは炎症のサインです。無理をせず、喉を休ませ、回復を優先することが大切です。
できるだけ会話を控え、喉を酷使しないでください。痛みを無視して活動を続けると、炎症が悪化したり、他の症状に進行したりするリスクがあります。
喉が痛いのはどれくらいで治る?
一般的には、数日程度で自然に治まります。喉の痛みが1週間以上続く、または痛みが悪化する場合は、細菌感染やその他の病気が疑われるため、必ず医療機関を受診してください。
6.熱がなくても油断禁物!喉の乾燥・酷使は早めのケアで防ごう
熱がない喉の痛みは、喉の乾燥や酷使といった身近な原因から、専門的な治療が必要な病気が潜んでいる場合まで、幅広い原因が考えられます。セルフケアで改善しない場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
とくに感染症が疑われる場合は、周囲への感染拡大を防ぐためにも、医療機関の指示に従って適切に対応することが重要です。早めの対処で喉の不快感を和らげ、日常生活を快適に保ちましょう。


