情報掲載日:2026/02/16
【医師監修】目のかゆみの原因は?考えられる病気、対処法・予防法を解説

「朝起きた瞬間から目がムズムズする」「気づくと無意識に目をこすってしまう」。目のかゆみは、花粉が飛散する季節に限らず、一年を通して多くの人に起こる身近なトラブルです。しかし症状を放置していると、さらに悪化したり、別の目の病気につながったりする可能性もあります。

本記事では、目のかゆみの主な原因や、つらいかゆみを和らげる対処法、日常生活でできる予防策を分かりやすく解説します。

1.目のかゆみの原因

目のかゆみの原因

目のかゆみは、目の表面を覆う結膜や角膜、あるいはまぶたに炎症や刺激が起きているサインです。原因はひとつとは限らず、複数の要因が重なって症状が現れることもあります。

アレルギー性結膜炎

目のかゆみで最も多い原因がアレルギー性結膜炎です。免疫機能が、スギやヒノキなどの花粉、ハウスダスト、ダニ、ペットの毛、カビといったアレルギー物質に過剰反応することで起こります。

強いかゆみをはじめ、白目の充血、涙目、透明でさらさらした目やにが特徴で、左右両眼に症状が出やすく、くしゃみや鼻水などの鼻症状を伴うことも少なくありません。

感染性結膜炎

感染性結膜炎は、細菌やウイルスが目に感染して起こる炎症です。かゆみよりも、痛みや異物感、強い充血が目立つのが特徴です。

細菌性では黄色や緑色の粘り気のある目やにが、ウイルス性(はやり目など)では水のような目やにが多く見られます。片眼から始まり、数日後に反対側へ広がることが多いため注意が必要です。

ものもらい

ものもらいは、まぶたの縁にある脂腺や汗腺に細菌が感染したり、分泌物の出口が詰まったりして炎症が起こる状態です。初期症状はかゆみや違和感から始まり、次第に赤く腫れて、瞬きのたびに痛みを感じるようになります。触ったりこすったりすると、炎症や化膿が悪化するおそれがあります。

眼瞼炎(がんけんえん)

眼瞼炎は、まぶたのふちに炎症が起こる病気で、皮脂の過剰分泌や細菌の繁殖、アレルギー反応、アイメイクの落とし残しなどが原因です。まぶたのかゆみや赤み、腫れに加え、まつ毛の根元にフケのようなカスが付着することがあります。慢性化しやすく、再発を繰り返しやすいのも特徴です。

ドライアイ

ドライアイは、涙の量や質のバランスが崩れ、目の表面が乾燥した状態です。涙の膜が不十分になることで刺激に敏感になり、かゆみやムズムズ感が生じます。

パソコンやスマートフォンの長時間使用、エアコンによる乾燥、コンタクトレンズの装用など、現代の生活習慣と深く関係しています。

その他の原因

病気以外にも、外部刺激によって目のかゆみが起こることがあります。まつ毛や小さなゴミ、砂などの異物が入り込むと結膜が刺激され、かゆみや違和感を引き起こします。

また、洗顔料やシャンプーのすすぎ残し、ヘアスプレー、化粧品成分などが付着し、接触皮膚炎として症状が出ることもあります。


2.目のかゆみの対処法

目のかゆみの対処法

目のかゆみを感じると、つい目をこすってしまいがちですが、強くこすると角膜に傷がつき、細菌感染や視力への影響を招くおそれがあります。つらいときほど触らず、次のような対処法を試しましょう。

目もとを冷やす

アレルギー反応が起こると、目の周囲の血管が拡張し、炎症を引き起こす物質が放出されます。目もとを冷やすことで血管が収縮し、神経の興奮が抑えられるため、かゆみの軽減が期待できます。

清潔なタオルを冷水で濡らして軽く絞り、まぶたの上に5〜10分ほどのせると、かゆみが一時的に和らぐことがあります。

洗眼薬を使う

花粉やハウスダストが原因の場合は、目の表面に付着したアレルゲンを洗い流すことが重要です。

市販の洗眼薬を使用する際は、防腐剤を含まない目にやさしいタイプを選びましょう。洗いすぎはかえって目の負担になるため、用法・用量を守って使用することが大切です。

水道水での洗眼は、塩素による刺激や、涙に含まれる油分・ムチンなどの大切な成分を洗い流してしまう可能性があるため控えてください。

点眼薬を使う

目のかゆみには、以下のような成分を含む点眼薬を使用することで、症状を和らげることができます。ドラッグストアで購入する際は、薬剤師や登録販売者に充血の有無や目やにの状態を伝えて適切な点眼薬を選んでもらうとよいでしょう。

成分 期待できる効果
抗ヒスタミン成分 かゆみの原因物質(ヒスタミン)の働きをブロックし、今あるかゆみを素早く抑えます
抗アレルギー成分 アレルギー反応を抑えます。本格的な花粉シーズンの前から使用すると効果的です
抗炎症成分(グリチルリチン酸二カリウムなど) 目の赤みや炎症を鎮めます

3.目のかゆみの予防法

目のかゆみの予防法

目のかゆみは、症状が出てから対処するよりも、日頃から「かゆくなりにくい環境」を整えておくことが重要です。原因に合わせた予防を意識することで、つらい症状の発症や再発を防ぎやすくなります。

アレルゲンを避ける

花粉症などアレルギーが原因の場合は、アレルゲンとの接触をできるだけ減らすことが予防の基本です。

  • 外出時:
    花粉対策用のメガネや、つばの広い帽子を着用すると、目への付着を防ぎやすくなります。
  • 帰宅時:
    玄関の外で衣類を軽く払い、花粉を室内に持ち込まないようにしましょう。帰宅後すぐに洗顔し、まつ毛に付着した花粉を落とすのも効果的です。
  • 室内環境:
    空気清浄機を活用し、床は濡れ拭きで掃除することで、ハウスダストの舞い上がりを抑えられます。

コンタクトレンズの使用時間を短くする

コンタクトレンズは汚れやアレルゲンを吸着しやすく、目のかゆみを悪化させる要因になることがあります。装用時間を守らずに長時間使用すると、乾燥や炎症を招きやすくなるため注意が必要です。

少しでもかゆみや違和感がある場合は、レンズによる摩擦が刺激になるため、眼鏡に切り替えて目を休ませましょう。また、2ウィークタイプなどではタンパク汚れが残りやすく、ワンデータイプに変更するだけで症状が改善するケースもあります。

デジタル機器の長時間使用は避ける

パソコンやスマートフォンを長時間使用する方は、ドライアイ対策がそのまま目のかゆみ予防につながります。目安として「1時間作業したら15分休憩」を意識し、遠くを眺めて目の緊張を和らげましょう。

また、作業中は瞬きの回数が減りがちなため、意識的に深く瞬きをすることで、涙を目全体に行き渡らせ、乾燥を防ぐことができます。

目もとを清潔に保つ

近年注目されているのが、まぶたの縁を清潔に保つ「リッドハイジーン(眼瞼清拭)」です。アイメイク専用のリムーバーや低刺激の洗顔料を使い、まつ毛の生え際をやさしく洗浄することで、皮脂や汚れの蓄積を防げます。

これにより、涙の質に関わるマイボーム腺の詰まりが改善され、眼瞼炎やドライアイの予防にもつながります。


4.目のかゆみは、原因を知って正しくケアしよう

目のかゆみは、アレルギーや感染症、まぶたの炎症、ドライアイなど、さまざまな原因によって起こります。つらくても目をこするのは症状悪化の原因になるため避け、原因に応じた適切な対処と日常的な予防を心がけましょう。

セルフケアで改善しない場合や、強い痛み、視力低下、目やにの増加を伴うときは、早めに眼科を受診してください。